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2009年6月

雨に咲く花

 004_2 ここのところ太陽が顔を見せない日が続いている。

「天気予報では、今日は晴れじゃあなかったかなあ」

昼食後、ブツブツ言いながら玄関のドアを開けてみたら、丁度雨が止んでいた。プランター植えのカサブランカが咲き始めていた。ピンクの花びらから、さっきまで降っていた雨のシズクが滴り落ちている。

002 「何をさっきから一人でブツブツ言っているの」

カミさんが様子をみに来た。カサブランカを指差し

「雨に咲くカサブランカも風情があるねえ」というと納得した様子。

001_2  そのそばには、たった一輪だがアガパンサスが長い茎の上に咲き、少しはなれたところにはハエマンサスが、これも一輪だが存在を主張している。

カメラを構えていたら、また降り出した。雲の動きは早い。本格的な夏を迎える前の“雨に咲く花”とシャレてみた。

003

この記事を書きこんだ日、やっと陽がさした。

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鬼百合通り

006 いま種子島は鬼百合が満開だ。車でどこを走っていても、道端から或いは土手から、鮮やかなオレンジが目に飛び込んで来る。

その中でも、嘉永山の曲がりくねった坂道を登り、高等学校へ向かう途中の二股を左に折れる角にある鬼百合が、市街地の近辺では最も014 見事だ。正面から見たのではそれほどではないが、道に沿って横から見ると、かなりの密集度である。

島生まれでも島外の生活の長いカミさんと、関東育ちの私にとっては、何度見ても目を見張る光景である。

昨年は私達が車を降りて眺めていたら、車で通りかかった婦人が速度を落として「きれいですね」と声を掛けて通り過ぎたことがあったが、島育ちの方ではなかったのだろう。今年はどの車も素通りして行003 った。地元の知人に話しても「そんなところあったっけ」と、全く意に介していない様子だった。

それでも「種子島が一番」と言う人だって存在する。そう言う人達の心の中には、こうしたさりげない美しさが、無意識のうちにしみこんでいるからだろう。

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アゲハチョウ

001 今年はアゲハチョウの姿をあまり見かけない。そういえば玄関横にあるアゲハチョウのためにあるグレープフルーツの木の葉が、少ないうえに大きく成長していない。蝶の親は卵を産み付けても、子供の成長には不十分であることを見越しているのかもしれない。例年なら丸坊主になっているはずのクチナシも、今年は若葉が茂り蕾をたくさんつけている。004

ある日、何気なくヒトツバの垣根を見ていたら、キアゲハがぶら下がっていた。とまっているというより、かろうじてぶら下がっているという感じである。孵化したばかりだったようだ。

002_4 早速カメラを持ち出し、右から左から写していたら、なんとポーズをとったかのように、一瞬ではあるが羽を広げたのだ。その後はいくら待ち構えていても、広げてはくれなかった。

翌日見に行ったら、飛び去った後だった。

3年前の5月、母の亡くなったときは、クロアゲハが毎日のように、家の周りを飛び回っていたことを思い出した。

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ゴテチャ

003 「これ以上鉢が増えると、置き所がないわね」

そう言いながらも、見るとついつい手が出てしまうカミさん。この日もうすいピンクと濃いピンとの花を二鉢買い込んできた。

「きれいでしょう。このくらいの大きさなら何処でもおけると思って……」

「なんという花?」

「名前はね、あれ? なんていうんだっけ、さっきまで覚えていたのに……。ちょっと待って、あれ、あれ?」

来月には古希を迎えるカミさん”ド忘れ度”は三つ違いの私と言い勝負になってきた。「確かゴで始まるような気がするのだけれど……。年はとりたくないわねえ」そういいながら玄関脇の花たちの中に仲間入りさせた。インターネットで検索してみたが、それらしい花がみつからない。ついに「明日花屋さんに見に行こう」ということにした。

夕食後、テレビの「趣味の園芸」番組をみているとき、カミさんが叫んだ。

「アッ、思い出した。ゴテチャよ、ゴテチャ」

こちらはついて行けず、きょとんとしていると

「ほら、思い出せなかった花の名前よ」

慌ててネット検索。同じような花の写真が現れた。

テレビではアヤメとハナショウブとカキツバタの見分け方を説明していたのだが、忘れた花の名前のことが頭を離れなかったようだ。

「アア、よかった。これで安心して眠れるわ」

いずれにしても、ゴテチャの参加で、玄関横のゴチャゴチャ感が一段とアップしたのは確かだ。

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留守番ブーゲンビリア

010_2 いま種子島は赤紫のブーゲンビリアの最盛期だ。あちこちの庭を飾っている。特に若狭公園のブーゲンビリアの、小山のように盛り上がりって咲き誇る様は圧巻だ。

亡き母と同い年の従姉妹が97歳になり、いまは身内の経営している011 養護施設で生活しているのだが、先日そのおばさんの顔を見に行ってきた。小柄で身も軽く、90歳過ぎまでゲートボール楽しんでいたという達者ぶりは、少しも衰えてはいなかった。記憶もしっかりしていて、その元気ぶりに驚かされて帰ってきた。

016 帰り道の途中におばさんの家がある。のぞいてみたら玄関先のブーゲンビリアが、まるでしだれ柳のように枝を垂らし、赤紫の花を一杯つけて咲いていた。

「おばさんに見せたいわね」とカミさん。写真に撮り葉書にして送った。

地元の人にとっては見慣れた光景かもしれないが、関東育ちの私にすれば、あの密集する赤紫の印象は強烈だ。

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ヒヨドリの子育て

005_2 チーヨ、チーヨ……。

我が家の屋根のどこかにヒヨドリの巣があるのか、餌をねだる雛鳥の鳴き声が何処からか聞こえてきます。

昨日などは、ドスンと音がしたので、ガラス戸を見たら、ヒヨドリ002_2 の雛がガラスに気がつかずぶつかった音でした。縁側に干してあった布団の上で、きょとんとしていました。そのうち、屋根の上で親鳥の呼ぶ声が聞こえてきました。雛は庭に飛び降りてから、ちょんちょんと助走したあと、飛び上がりました。

003_2 今日は裏で雛の声がしました。ソーッと近づいてみました。裏の家との境の塀の上で雛が鳴いています。親も一緒にいました。雛が大きな口をあけます。親はその口に虫を口移しで入れてやりました。私はガラス戸のこちらにいましたので、親子は気がつかなかったのでしょう。その口移しシーンが目の前で展開されたのでした。親はすぐ飛び去りました。

ソーッとカメラを取りに行きました。戻ってきてもまだ雛はいました。ガラス越しに写しました。ちょんちょんと塀の上を遠ざかります。静かにガラス戸を開けます。雛は飛び去ろうとはせず、向こうからこちらを見ていました。

目下飛行訓練中なのでしょう。親は餌を口にして、ここまでおいでと呼び寄せているに違いありません。親の声が聞こえました。雛は飛んでいきました。

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